フィリピン留学のビザ事情を解説!申請が必要なものを確認しておこう

フィリピン留学を検討する際、ビザについて気になる方は多いのではないでしょうか。留学期間によって、必要なビザや書類、手続きなどは異なります。

本記事では、そもそもビザとはどういうものなのか、フィリピン留学におけるビザ申請の要否について解説。また、ビザの取得とあわせて申請すべき各種証明書の費用や、申請方法についても紹介します。

本記事を参考にビザに関する疑問を解消し、フィリピン留学に向けた準備を進めてください。

1. そもそも「ビザ」ってどういうもの?

「ビザ」とは、渡航先の国に入国、あるいは一定期間滞在するために必要な、現地の政府が発行する許可証のことです。日本語では「査証(さしょう)」とも呼ばれます。

ビザは、国境を越える際に入国する目的や、滞在期間などが適切であるかを事前に審査し、許可する役割です。国籍を持つ国と渡航先の国との関係性や、観光、留学、就労などといった入国目的、滞在期間によって、必要となるビザの種類や申請手続きは異なります。

ビザがない場合や、目的に合わないビザで入国しようとすると、入国を拒否されたり、強制送還の対象となったりする可能性が。海外へ渡航する際には、ビザに関する情報を事前に確認し、適切なビザを取得することが非常に重要です。

2. フィリピン留学にビザは必要?

フィリピン留学においてビザが必要かどうかは、留学期間によります。フィリピンに留学する際は、まず留学期間を明確にした上で、適切なビザの手続きを行ってください。

2-1. 原則として留学期間によって変わる

フィリピンの場合、日本国籍の方は原則として、ビザなしでも30日以内の滞在が可能です。30日以内であれば、観光目的と同様に語学学校に通うことも認められています。

30日を超えて滞在し留学を継続する場合は、現地でビザの延長手続きが必要です。ビザの延長期間や申請費用などは留学期間によって変わるため、期間がどの程度になるのかを事前に把握し、適切なビザの手続きをしてください。

2-2. 学生ビザが必要なケースがある

フィリピンの大学や専門学校などの教育機関に、単位や学位取得を目的として留学する場合は、学生ビザ(9F)の取得が必要です。学生ビザ(9F)は入学許可証が発行された後、フィリピン大使館または領事館にて学生ビザを申請することで取得できます。

語学学校の場合学生ビザは不要ですが、SSP(特別就学許可証)の取得が必要。留学する学校によってビザの種類や手続きは異なるので、留学先が決まった時点でビザに関する要件を確認してください。学生ビザが必要な場合は、早めに申請手続きを開始するようにしましょう。

3. フィリピン留学で申請・取得が必要なもの一覧

フィリピンで語学留学をする場合、留学期間や状況に応じて、以下のような書類の申請・取得が必要になることがあります。あらかじめ把握しておくことで、現地での手続きをスムーズに進められます。

30日以内31日~59日60日以上6ヶ月以上
SSP(特別就学許可証)
ACR I-Card(外国人登録証)
ECC(出国許可証)
CRTV(一時滞在者居住証明書)
滞在ビザ延長

各種証明書について、概要や違いについて解説します。

3-1.SSP(Special Study Permit:特別就学許可証)

SSP(特別就学許可証)とは、観光ビザでフィリピンに入国し、語学学校などの教育機関で学習する外国人に義務付けられている許可証です。留学期間が30日以内であっても、語学学校に通う場合は基本的に取得しなければなりません。

 

SSPは、学校を通じて申請・取得することが一般的で、費用は学校や申請時期によって差があります。有効期限は最大6ヶ月。1年などの長期滞在の場合は再度申請しなければなりません。

 

3-2.ACR I-Card(Alien Certificate of Registration Identity Card:外国人登録証)

ACR I-Card(外国人登録証)とは、フィリピンに60日以上滞在する外国人に義務付けられている外国人登録証のことです。長期留学をする場合は、SSPに加えてACR I-Cardの取得が必要となります。

 

SSPと同様に、申請は学校が代行してくれるケースが多いです。ご自身で申請する場合は、移民局で手続きを行います。

 

3-3.ECC(Emigration Clearance Certificate:出国許可証)

ECC(出国許可証)とは、フィリピンに6ヶ月以上滞在した外国人が出国する際に必要となる出国許可証のことです。出国前に申請・取得する必要があり、取得には数日かかる場合があるので、早めの準備を心がけましょう。

 

3-4.CRTV(Certificate of Residence for Temporary Visitors:一時滞在者居住証明書)

CRTV(一時滞在者居住証明書)とは、フィリピンに6ヶ月以上滞在する外国人に義務付けられている、一時滞在者居住証明書のことです。フィリピン入国管理局が発行するもので、長期滞在者の身元を把握し、管理するために必要となります。

 

稀ですが、一部の語学学校ではご自身で取得手続きをしなければならないケースも。その場合は、「5.ビザ関連の手続き方法」を参考に手続きをしてください。

4. 期間別!ビザ関連の支払い費用一覧

フィリピン留学におけるビザ関連の支払い費用は、留学期間やビザの種類などによって総額が変わります。以下に一般的な費用の目安を記載しているので、ご参考ください。

※SSPは2025年6月30日(月)以降の手続きより適用となります。

30日以内31日~59日60日以上6ヶ月以上
SSP約19,000円約19,000円約19,000円約19,000円
SSP E-Card(外国人登録証)約10,000円約10,000円約10,000円約10,000円
ACR I-Card約8,750円約8,750円約8,750円約8,750円
ECC約5,000円約5,000円約5,000円約5,000円
CRTV約3,700円約3,700円約3,700円約7,500円
ビザ延長申請不要約10,000円約22,500円約90,000円
支払金額約35,950円約45,950約58,450円約155,250円

※為替レート・申請時期・学校によって金額は変動します。

 

SSPを申請すると、合わせてSSP E-Card(外国人登録証)も発行されますが、それぞれ取得費用が発生します。また、6ヶ月以上の滞在を予定している方は、SSPとCRTVの再取得が必要です。

上記はあくまで目安であり、為替レートや手続き代行費用によって変動するので、学校や滞在期間、申請時期に応じて正確な金額を確認しましょう。

5. ビザ関連の手続き方法

フィリピン留学におけるビザ関連の手続きは、種類によって申請場所や必要書類、手順が異なります。以下に一般的な手続き方法を見てみましょう。

5-1.観光ビザの延長

観光ビザの延長は、フィリピンに入国してから滞在期限が切れる前に、最寄りの入国管理局で行います。1回につき最大59日まで、最長3年(36ヶ月)まで延長可能です。

必要書類としては、パスポート、往復航空券のコピー、申請書、証明写真などが必要。延長期間や回数によって費用が決まり、手続きには数時間かかる場合があります。

5-2.SSP

SSPは、フィリピン入国管理局が発行します。

申請は学校が代行してくれるか、もしくはご自身でフィリピン入国管理局にて行います。必要書類はパスポートのコピー、証明写真、入学許可証です。SSPの有効期限は通常6ヶ月で、延長や転校の際には再申請が必要となります。SSPなしでの就学は不法就学となるため、必ず取得してください。

5-3.ACR I-Card

ACR I-Cardは、観光ビザの延長と同時に申請するケースが多いため、申請先は入国管理局です。学校のスタッフが同行してくれる場合もあります。必要書類としては、パスポート、ビザの発給ページ、申請書、証明写真などです。

なお、フィリピン滞在中は常に携帯が必要。忘れず手続きをしてください。

5-4.ECC

ECCの申請は、出国前に入国管理局で行います。必要書類としては、パスポート、ACR I-Card、出国航空券のコピー、申請書、証明写真などです。

申請には数日かかるため余裕をもって手続きを行い、有効期限(発行から1ヶ月)に注意してください。ECCなしでの出国は拒否される可能性があります。他の証明書と同様に、学校側が手続きを代行してくれることが一般的です。

5-5.CRTV

CRTVは、入国管理局から発行されます。必要書類には、パスポートのコピー、ACR I-Cardのコピー、ビザ延長記録、申請書、証明写真などがあります。ECCなどと同様に取得に時間がかかるので、滞在日数に余裕がある段階で申請を行いましょう。

なおフィリピン滞在中は、CRTVの携帯が推奨されます。

6. 正規留学に必須!フィリピン学生ビザの申請方法

フィリピンの大学や専門学校へ正規留学する際には、学生ビザ(9F)の取得が必須です。申請手続きは、日本国内で行う必要があり、いくつかのステップと必要書類があります。

 

本章では、学生ビザの申請方法、必要な書類、手続きの流れ、そして申請から完了までの期間について詳しく解説します。

 

6-1.必要書類

フィリピンの学生ビザ(9F)申請には、以下の書類が必要となります。必要書類は申請者の状況や入学する学校によって若干異なる場合があるため、必ず事前に大使館または入学予定の学校に確認するようにしてください。

書類名概要
パスポート残存期間6ヶ月以上が必要
ビザ申請書フィリピン大使館で入手またはダウンロード
証明写真指定のサイズ・枚数
入学許可証フィリピンの教育機関が発行したもの
財政能力証明書(英文)留学中の学費や生活費を支払えることを証明する銀行残高証明書など
健康診断書(英文)指定の医療機関で発行されたもの
無犯罪証明書(英文)警察署で発行されたもの
戸籍謄本(英文)原本が必要
親の同意書(申請者が未成年の場合・英文)
航空券または予約確認書(フィリピン入国予定日と帰国予定日が記載されたもの)

 

6-2.手続き方法

フィリピンの学生ビザ(9F)の申請手続きは、原則として以下の流れで行います。

手順詳細
1. 入学許可フィリピンの大学や専門学校から入学許可証を取得
2. 必要書類の準備大使館の指示に従って、「7-1.必要書類」を準備、英文で作成する必要がある書類や、公証人の認証が必要な書類もある
3. 在日フィリピン大使館で申請必要書類を揃えて、在日フィリピン大使館または領事館に学生ビザを申請(面接実施の可能性あり)
4. ビザ発給大使館での審査が完了後、学生ビザ発給(パスポートにビザシールを貼付)
5. 現地での手続きフィリピン到着後、学校の指示に従ってACR I-Card(外国人登録証)を申請

 

学生ビザの申請は、書類の準備に時間がかかる場合や、大使館の審査に日数を要することがあるため、時間に余裕をもって行いましょう。

不備があると再提出を求められ、さらに時間がかかってしまいます。学校が手続きをサポートしてくれることが多いですが、自身でも期限を確認し、事前に大使館のウェブサイトや学校からの案内に従って、正確に書類を準備しましょう。

 

6-3.申請から完了までの期間

フィリピンの学生ビザ(9F)の申請から発給までの期間は、申請者の状況や大使館の混雑状況によって大きく変動しますが、申請からビザ発給まで1ヶ月〜2ヶ月程度かかることが一般的です。

必要書類の準備なども考慮すると、遅くとも3〜4ヶ月前には留学先の学校を決定し、必要書類の準備を進めていくことが賢明。ビザ申請のルールは突然変更となることもあるので、可能な限り早期に動き出しましょう。

6. まとめ

フィリピン留学におけるビザの手続きは、留学期間や目的によって必要書類や費用が変わります。

短期留学の場合は比較的容易ですが、長期留学や学生ビザを取得して留学する場合は、SSP、ACR I-Card、ECCなどといった、さまざまな取得が必要です。取得する書類が増える分だけ手続きも煩雑になるので、長期滞在者や学生ビザを申請する方は、早めに準備しましょう。

不明な点は、留学エージェントや学校に事前に確認しながら、着実に準備を進めてください。

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