フィリピンで気をつけることとは?治安やマナーについて知っておこう

2025.10.29記事

留学や旅行先として人気の高いフィリピンですが、「治安が悪い」「危険」といったイメージを持つ人も少なくありません。実際のところ、地域によって安全度には差があります。

この記事では、最新の治安状況や注意すべき場所、旅行中に心がけたいマナーを解説。正しい知識を持ち、不安を減らしながらフィリピン滞在を安全で快適なものにしましょう。

治安は悪い?フィリピンの現在の様子


フィリピンは、過去には治安の悪さが懸念されていた時期もありましたが、近年は大きく改善。観光地や留学都市では警備体制が強化され、観光客が安全に滞在できる環境が整いつつあります。ただし、エリアによって状況は異なります。

ここでは、最新の治安ランキングや地域ごとの特徴、注意すべき場所について詳しく見ていきましょう。

フィリピンの治安ランキング

国際的な治安指標によると、フィリピンの安全度は東南アジア諸国のなかでは中位程度に位置します。

たとえば、2024年版「グローバル・ピース・インデックス」では、163か国中104位。依然として軽犯罪は発生しているものの、政府による取り締まりや観光エリアでの警備強化が進み、都市部では以前よりも安全に観光できる環境が整いました。

特に留学生が多く訪れるセブ島やマニラ中心部では、警察やセキュリティガードが常駐している場所も多く、日中であれば比較的安心して過ごせます。

フィリピン内での治安の違い

フィリピンは7,000以上の島々から成る国で、地域によって治安状況が大きく異なります。

観光客が多く訪れるセブ島やマニラ市内の商業エリアは比較的安全で、警備員の配置も充実。一方で、ミンダナオ島の一部地域では、政治的背景から外務省が渡航を控えるよう勧告している場所もあります。夜間の繁華街や人通りの少ない路地では、スリや置き引きのリスクが高まるため注意が必要です。

セブ島では観光客狙いの詐欺、マニラでは交通渋滞中の車上狙いなどが報告されており、常に周囲への警戒を怠らないようにしましょう。

旅行・留学中に気をつけたい場所

フィリピンで注意すべき場所としてまず挙げられるのがスラム街です。特にマニラ郊外や主要都市の一部では、観光客が近づくとスリや詐欺に遭うリスクが高まります。また、空港内外でも油断は禁物。荷物の置き忘れや声をかけてくる勧誘には慎重に対応しましょう。

公共交通機関では、混雑時のスリやひったくりが多発しています。ジプニーやバスを利用する際は、貴重品を体の前で持つのが基本です。安全な移動を重視するなら、タクシー配車アプリやホテル手配の送迎サービスを活用しましょう。

フィリピンで注意したいトラブル


フィリピンでは、日常生活を送るうえで大きな危険に巻き込まれることは稀ですが、油断は禁物です。観光客や留学生を狙った軽犯罪や詐欺は依然として発生しており、ちょっとした隙がトラブルにつながることもあります。事前に手口を知っておけば、被害を未然に防げるでしょう。

ここでは、現地で起こりやすい代表的なトラブルと対策を紹介します。

スリ・置き引き・強盗

観光客がもっとも遭遇しやすいトラブルが、スリや置き引きといった軽犯罪です。特に人の多いショッピングモールやバスターミナル、繁華街では、注意を怠ると狙われる可能性があります。

財布やスマートフォンはポケットではなく、チャック付きのバッグに入れて常に体の前で持ちましょう。夜間の路上歩行は避け、貴重品を分散して管理することも効果的です。まれにバイクによるひったくり被害も報告されています。

万が一遭遇しても、抵抗せずに身の安全を最優先に行動しましょう。警察や宿泊先にすぐ連絡することが大切です。

詐欺・ぼったくり

観光客を狙った詐欺やぼったくりも、都市部を中心に発生しています。

代表的な手口として、タクシーの不正メーター操作や相場より高い料金を請求するケースが挙げられます。これは、正規のタクシー会社や配車アプリを利用することで、多くのトラブルを避けられるでしょう。

また、街中で声をかけてくる「両替商」や「ツアー案内」も要注意。相場を知らない旅行者に高額請求を行うことがあるので注意してください。支払い前に必ず料金を確認し、領収書をもらう習慣を持ちましょう。

相手のペースに乗らず、冷静に判断することが防止策になります。

強姦

性的暴行などの犯罪は、フィリピンでも報告されていますが、発生率は地域によって大きく異なります。特に夜間の外出や、人通りの少ないエリアを一人で歩くのは避けることが重要です。飲食店やバーでの飲み物にも注意を払いましょう。まれに、ドリンクに薬物を混入して犯行に及ぶケースもあります。

友人同士で行動する、信頼できる相手以外とは密室に行かないといった基本的な対策が有効です。被害に遭った場合は、ためらわずに警察や大使館へ相談し、医療機関のサポートを受けてください。迅速な対応が心身の安全につながります。

フィリピンで気をつけること


フィリピンでは、過ごし方に少し気を配るだけで、トラブルを未然に防げます。観光地では警備体制が整っているものの、スリや詐欺などの軽犯罪は依然として発生。自分の身を守るためには、日常的な行動のなかに安全意識を持つことが大切です。

荷物は前で抱える

スリや置き引きを防ぐためには、バッグを常に前で抱えることが基本です。混雑した場所や公共交通機関では、背負ったリュックは狙われやすく、ファスナーを開けられても気づきにくい状況になります。

ショルダーバッグやウエストポーチなど、体の前でしっかり視界に入る位置で持つと安心です。特に市場や観光地では、グループで行動する犯罪もあるため注意が必要。常に周囲を観察し、自分の荷物は自分で守る意識を持ちましょう。

持ち物は最小限にする

外出時は、必要なものだけを持ち歩くことが鉄則です。高額な現金や貴重品を持つほど、スリや強盗に狙われるリスクが高まります。現金は一度に多く持たず、必要分だけ財布に入れましょう。

パスポートはコピーを携帯し、原本は宿泊先のセーフティボックスに保管すると安心です。スマートフォンや高価なアクセサリーも控えめにしましょう。現地では「派手な持ち物=裕福な外国人」と見なされやすいため、身軽な装いを心がけることも、安全策のひとつです。

夜間の外出は必要最低限にとどめる

夜間の外出はできるだけ控え、用事がある場合も信頼できる相手やグループで行動するようにしましょう。

特に繁華街や人通りの少ないエリアでは、スリや強盗、性犯罪のリスクが高まります。深夜営業の飲食店やバーでも、荷物やドリンクから目を離さないことが大切です。

移動が必要な場合は、正規のタクシーや配車アプリを利用すると安心でしょう。夜道を一人で歩かない、知らない人について行かないなどを徹底するだけで、危険を大きく減らせます。

ながらスマホをしない

歩きながらスマートフォンを操作する「ながらスマホ」は、フィリピンでは特に危険です。スリがスマホを狙って近づき、手から奪い取る被害が多発しています。スマホを使う際は、安全な場所に立ち止まってから操作しましょう。通話中や写真撮影中も油断せず、周囲の状況を確認することが重要です。

高価なスマホは特に狙われやすく、片手で持ちながらの操作は避けたいところ。短い一瞬の油断が、被害につながる可能性もあります。注意を怠らないことが最善の防御策です。

タクシー乗車時はメーターがついているか確認する

フィリピンでは、メーターを使わず高額な料金を請求する「ぼったくりタクシー」も存在します。

乗車前に必ずメーターが動作しているかを確認し、動かない場合は乗車を断る勇気も必要です。正規のタクシー会社を利用したり、Grabなどの配車アプリを活用したりすると安心でしょう。事前に料金が表示されるため、トラブル防止につながります。

夜間や空港発のタクシーは特に注意が必要。運転手に行き先を伝える際は、目的地の正確な住所を提示するとスムーズです。

声をかけられても応じない

観光地や繁華街では、現地の人からフレンドリーに声をかけられることがあります。しかし、なかには観光客を狙った詐欺や勧誘も含まれているため、安易に応じないようにしましょう。

特に「安く案内する」「特別なイベントに招待する」といった言葉には注意が必要。知らない人からの呼びかけは笑顔でかわし、その場を離れるのが安全です。親しげな態度でも、目的は金銭トラブルであるケースもあります。距離感を保つことを意識し、トラブルを回避しましょう。

事前にできる安全対策


フィリピンへの渡航を安全に楽しむためには、出発前の準備が欠かせません。現地での危険を完全に避けることは難しいものの、事前の備えによってリスクを最小限に抑えられます。緊急連絡先の整理や、使えるサポートサービスを確認しておくことで、いざというときも落ち着いて行動できるでしょう。

ここでは、出発前に実践しておきたい基本的な安全対策を紹介します。

緊急連絡先をまとめておく

トラブル発生時に迅速に対応するためには、連絡先を事前にまとめておくことが重要です。現地警察、大使館、保険会社、滞在先の連絡先を一覧にしてスマートフォンと紙の両方で管理しましょう。

スマホが使えない状況に備えて、紙に控えておくと安心です。日本大使館や領事館では、紛失・盗難・事故などの際に支援を受けられます。留学や長期滞在の場合は、学校やホームステイ先の連絡先も追加しておくとより安全です。万一の際に慌てず行動できるように、あらかじめ準備しておきましょう。

旅行者向けの緊急サービスを確認・利用する

フィリピン渡航にあたって、旅行者が利用できる緊急支援サービスや保険が充実しています。

日本外務省が提供する「たびレジ」に登録しておくと、現地の最新安全情報や災害時の緊急連絡を受け取れます。さらに、海外旅行保険にも加入しましょう。盗難や病気、事故など、予期せぬトラブルの際に費用負担を軽減できます。

クレジットカードに付帯している保険内容を確認するのも有効です。事前にサポート窓口や対応言語を調べておけば、現地で慌てることなく的確に対処できます。

防犯グッズを身につけておく

海外では、自分の身を守るための防犯対策が欠かせません。小型の防犯ブザーやワイヤーロック、スキミング防止ポーチなどは、軽量で持ち運びやすく効果的です。

貴重品は体に密着するウエストポーチやネックポーチに入れると安心。さらに、バッグには南京錠を取り付けておくと、置き引き被害を防げます。夜道では明るい色の服を着る、周囲を意識して行動することも大切。

大げさに感じる対策でも、トラブルを未然に防ぐ“保険”として有効です。

フィリピンでトラブルに巻き込まれてしまったら?


どれだけ注意していても、海外では予期せぬトラブルに巻き込まれることがあります。そんなときに大切なのは、焦らず冷静に対応することです。まずは自分の身の安全を最優先にし、しかるべき機関に連絡を取りましょう。

ここでは、盗難や事故など、実際に起こり得るトラブルの対処法を紹介します。

貴重品の盗難・紛失の場合

貴重品を盗まれた、または紛失した場合は、まず最寄りの警察署で被害届を提出します。この届出書は、保険請求や再発行手続きに必要な重要書類です。パスポートを失った場合は、日本大使館または領事館で再発行手続きを行いましょう。

クレジットカードの盗難時は、すぐにカード会社へ連絡し利用停止の手続きを取ることが必須です。現金が必要な場合は、保険や知人を通じた送金サービスを利用するのもひとつの手段です。

事件・事故の場合

交通事故や暴行などの事件に巻き込まれた場合は、まず安全な場所に避難し、警察への通報を最優先に行ってください。ケガをした場合はすぐに医療機関を受診し、可能であれば診断書を取得しておきましょう。通訳が必要な際は、日本大使館や旅行保険会社のサポートデスクを通じて依頼できます。

事件の場合は、現地の法律に従って手続きが進むため、無理に単独で交渉しないことが大切。専門機関と連携しながら、身の安全を確保することを心がけてください。

【番外編】マナー・習慣面で気をつけること


フィリピンでは、日本とは異なる文化や習慣が多く存在します。ちょっとした違いを知らずに行動すると、現地の人を不快にさせてしまうこともあるため注意しましょう。

より快適で充実したフィリピン滞在を実現するなら、マナーを理解し、現地の生活に溶け込む努力は必要不可欠です。

トイレに紙を流さない

フィリピンの多くのトイレでは、紙を流さずに備え付けのゴミ箱に捨てるのが一般的なルールです。排水設備が日本ほど整っておらず、紙を流すと詰まりの原因になりかねません。

トイレの横にはバケツと水が置かれている場合もあり、洗い流して清潔に保つスタイルが主流です。慣れないと戸惑うかもしれませんが、現地では当たり前の文化。外出先ではトイレットペーパーが備わっていないことも多いため、ポケットティッシュを携帯しておくと安心でしょう。

水道水・生ものは口にしない

フィリピンでは、水道水をそのまま飲むことは避けましょう。地域によっては浄水設備が不十分な場合もあり、衛生面でリスクが高いとされています。飲料水は、ボトル入りのミネラルウォーターを購入するのが基本です。

また、屋台や露店で提供される生ものも注意が必要。特に氷やカットフルーツは衛生管理が不十分なことがあります。お腹を壊さないためにも、「火の通った料理」「清潔な店舗」を選ぶように心がけましょう。

手で食べる文化がある

フィリピンでは、手で食事をする文化が今も残っています。特に家庭料理や伝統的な場では、右手を使って食べるのが一般的です。

左手は不浄とされているため、食事の際に使うのはマナー違反とされています。観光客が無理に真似をする必要はありませんが、現地の人と食事をする際は覚えておくと良い印象を与えます。

手で食べるスタイルには「食材の温度や質感を感じながら味わう」という意味もあり、文化体験として楽しむのもおすすめ。清潔な手で丁寧に食事をするのが礼儀です。

物価交渉は節度をもって

市場やローカルショップでは値段交渉ができる場合がありますが、過度な値下げ要求はマナー違反とされます。店側も生活のために販売しているため、相手の立場を尊重した交渉を心がけましょう。

値札がない店では、まず相場を調べてから話を持ちかけるのがコツです。笑顔でやり取りすることで、より良い価格にしてくれることもあります。値切り交渉も文化の一部として楽しむ姿勢が大切です。節度を守りながら、互いに気持ちの良い取引を心がけましょう。

写真を撮る際は写り込みに注意

フィリピンでは、人物を撮影する際に気をつけるべきマナーがあります。特に子どもや警察官、軍人などを無断で撮影するのは避けましょう。

安全上の理由から、警察施設や空港、政府関連の建物を撮るのもNGです。観光地では問題ない場所も多いですが、念のため撮影前に「Can I take a photo?(写真を撮ってもいいですか?)」と一言声をかけると好印象。

人のプライバシーを尊重する姿勢は、どの国でも大切なマナーです。トラブルを避けるためにも、撮影は慎重に行いましょう。

まとめ

フィリピンは、温かい人々と美しい自然が魅力の国です。治安やマナーに注意を払えば、快適で安全な滞在が実現します。大切なのは、現地の文化を尊重しながら行動すること。小さな気配りが信頼を生み、より豊かな体験へとつながります。

旅行や留学を控えている方は、今回紹介したポイントをぜひ参考にしてください。フィリピンでの毎日が、安心と笑顔に満ちた素晴らしい思い出となることでしょう。

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