フィリピンの大学進学率は?日本との比較でわかる3つの特徴

2026.01.30記事

「子どもがフィリピンの大学に進学したいと言っているけど、大丈夫だろうか?」「フィリピンの大学進学率は低いと聞いたけど、それは大学の質が低いということ?」――お子さんの海外進学を検討する保護者の方から、こうした不安の声をよく耳にします。

フィリピンの大学進学率は、日本と比べると確かに低い数値です。しかし、進学率が低い=教育の質が低い、ではありません。むしろ、その背景には文化や経済、キャリアの選択肢の違いがあり、一概に比較できないのが実情です。

この記事では、フィリピンの大学進学率の実態を数字で示し、日本との違いを3つの特徴から解説します。そして、進学率だけで判断してはいけない理由や、フィリピン進学が向いている人の特徴もご紹介します。お子さんの進路選択に迷っている保護者の方が、納得して判断できる情報をお届けします。

フィリピンの大学進学率の基本データ

まず、客観的なデータから見ていきましょう。フィリピンの大学進学率(高等教育進学率)は、約35〜40%とされています。これは、高校を卒業した人のうち、大学や専門学校などの高等教育機関に進学する人の割合です。

一方、日本の大学進学率は約60%(2024年時点)で、短期大学を含めると約65%に達します。数字だけを見ると、フィリピンは日本の半分程度の進学率ということになります。

しかし、この数字の違いを「フィリピンの教育水準が低い」と短絡的に解釈するのは危険です。進学率は、その国の経済状況、教育制度、文化的背景、キャリアパスの多様性など、さまざまな要因に影響を受けるためです。次の章で、この違いの背景を詳しく見ていきましょう。

フィリピンと日本の大学進学率の違いと3つの特徴

フィリピンと日本の大学進学率を比較すると、教育に対する考え方や社会の仕組みの違いが見えてきます。

フィリピンと日本の大学進学率比較:

大学進学率高等教育全体(短大・専門含む)特徴
日本約60%約65%大学進学が一般的。「大卒」が就職の前提となることが多い
フィリピン約35〜40%約40〜45%大学進学は選択肢の1つ。他のキャリアパスも一般的

この数字の違いには、3つの重要な特徴が隠れています。

① 日本は「大学進学が当たり前」、フィリピンは「選択肢の1つ」

日本では、高校を卒業したら大学に進学するのが「普通」「当たり前」という社会的な雰囲気があります。実際、大卒でないと応募できない求人も多く、大学進学が就職における事実上の「必須条件」になっているケースが少なくありません。

一方、フィリピンでは、高校卒業後の進路は非常に多様です。大学進学は数ある選択肢の1つに過ぎず、他の道を選ぶことも何ら不自然ではありません。

フィリピンの高校卒業後の主な進路:

進路割合の目安特徴
大学進学35〜40%医師、弁護士、エンジニアなど専門職を目指す人が中心
すぐに就職30〜35%コールセンター、IT、観光業など英語を活かせる仕事が豊富
海外で働く15〜20%OFW(海外フィリピン人労働者)として家族を支える
専門学校・職業訓練10〜15%技術職や資格取得を目指す

フィリピンでは、高校卒業後すぐに働いて家計を支えることや、海外で仕事をして送金することが、社会的にも家族的にも「立派な選択」として認められています。特にOFW(海外フィリピン人労働者)は、フィリピン経済を支える重要な存在であり、「大学に行かずに海外で働く」という選択が将来のキャリアに不利になることはほとんどありません。

つまり、フィリピンの進学率が低いのは、「大学以外の選択肢が充実しており、社会的に認められているから」という側面が大きいのです。

② フィリピンは学費の影響が大きい

日本では、国公立大学の学費が年間約54万円と比較的抑えられており、奨学金制度も充実しています。経済的に厳しい家庭でも、奨学金や教育ローンを活用すれば、「行きたい人は大学に行ける」環境がある程度整っています。

一方、フィリピンでは事情が大きく異なります。

日本とフィリピンの大学学費比較:

項目日本フィリピン
国公立大学の年間学費約54万円約5万〜15万円(公立大学)
私立大学の年間学費約80万〜150万円約30万〜100万円(有名私立)
大学の種類国公立と私立が混在大学の多くが私立
奨学金制度比較的充実限定的
平均世帯年収との比較学費は年収の10〜20%学費は年収の50〜100%超

一見すると、フィリピンの学費は日本より安く見えます。しかし、フィリピンの平均世帯年収は約30万〜60万円(都市部と地方で大きな差がある)であり、年収に対する学費の割合が非常に高いのです。

さらに、フィリピンの大学の多くが私立であるため、公立大学に入れなかった場合、私立大学の高額な学費を負担する必要があります。結果として、能力があっても、経済的な理由で大学進学を断念せざるを得ない学生が多いというのが現実です。

つまり、フィリピンの進学率が低い背景には、「行きたくても行けない」という経済的な制約があるのです。これは教育の質や学生の能力とは全く別の問題です。

③ フィリピンは「大学に行かなくても英語で働ける」

日本では、「大学に行かないと、いい仕事に就きにくい」という認識が一般的です。実際、高卒と大卒では生涯賃金に数千万円の差が出るというデータもあり、経済的な理由からも大学進学が推奨されます。

しかし、フィリピンでは状況が異なります。英語が公用語の1つであることが、キャリアの選択肢を大きく広げているのです。

フィリピンで大学に行かなくても就ける代表的な仕事:

職種必要なスキル月収の目安(フィリピン国内)特徴
コールセンタースタッフ英語力、コミュニケーション能力月3万〜6万円欧米企業のカスタマーサポート。大卒でなくても高収入
ITサポート・BPO業務基礎的なPC・英語スキル月4万〜8万円データ入力、事務処理など。成長産業で求人多数
観光業・ホテルスタッフ英語力、ホスピタリティ月2万〜5万円セブやボラカイなどの観光地で需要が高い
海外労働者(OFW)職種により異なる月10万〜30万円(海外)看護師、家政婦、船員など。本国の3〜5倍の収入

特に注目すべきは、コールセンター業界です。フィリピンは世界最大のコールセンター市場の1つであり、アメリカやイギリスの企業が多数進出しています。高卒でも英語力とコミュニケーション能力があれば、フィリピン国内の平均以上の収入を得ることができます。

また、OFW(海外フィリピン人労働者)として海外で働けば、本国の3〜5倍の収入を得ることも珍しくありません。特に看護師や介護士は世界中で需要が高く、専門学校レベルの資格で海外就職が可能です。

このように、フィリピンでは**「大学に行かなくても、英語力を活かして十分な収入を得られる」という現実**があります。そのため、経済的に厳しい家庭では、「大学の学費に数百万円をかけるより、早く働いて家計を助ける」という合理的な判断をするケースが多いのです。

大学進学率だけで判断してはいけない理由

ここまで見てきたように、フィリピンの大学進学率が低いのは、複合的な要因によるものです。進学率だけを見て、「フィリピンの大学は信頼できない」「教育水準が低い」と判断するのは適切ではありません。

進学率はお金や制度に強く左右される

進学率は、その国の経済力、教育制度、社会保障の充実度に大きく左右されます。教育の質とは直接的な関係がない場合も多いのです。

進学率に影響を与える主な要因:

要因日本フィリピン進学率への影響
国の経済力先進国、GDP世界3位新興国、GDP世界30位前後経済力が高いほど教育投資が容易
奨学金制度比較的充実限定的制度が充実しているほど進学率が上がる
大学の学費国公立は比較的安い私立が多く、世帯年収比で高額学費が安いほど進学しやすい
就職市場大卒が有利高卒でも英語職で稼げる大卒のメリットが大きいほど進学率が上がる

例えば、北欧諸国では大学の学費が無料であるため、進学率が非常に高くなります。一方、アメリカでは学費が高額ですが、奨学金制度が充実しているため、多くの学生が進学します。このように、進学率は経済的・制度的な要因に強く影響される指標です。

フィリピンの場合、経済的な制約と「大学以外の選択肢の充実」が進学率を押し下げていますが、これはトップ大学の教育の質とは別の問題です。実際、フィリピン大学(University of the Philippines)やアテネオ・デ・マニラ大学などは、アジアの大学ランキングでも上位にランクインしており、国際的に高い評価を受けています。

国によって”正解の進路”が違う

日本では「大学進学→新卒一括採用→終身雇用」というキャリアパスが長年の標準でした。しかし、これは日本独自の文化であり、世界共通の「正解」ではありません。

国ごとのキャリアパスの違い:

一般的なキャリアパス大学進学の位置づけ
日本大学→新卒採用→終身雇用ほぼ必須。大卒が就職の前提
アメリカ大学→転職を繰り返してキャリアアップ重要だが、転職市場も発達
フィリピン多様な選択肢から自由に選択選択肢の1つ。他の道も尊重される
ドイツ職業訓練→マイスター資格大学以外の職業教育も高く評価される

フィリピンでは、「大学に行かなくても、英語力や専門技術があれば十分なキャリアを築ける」という社会構造が根付いています。これは決して「教育軽視」ではなく、キャリアパスの多様性が認められているということです。

お子さんのフィリピン進学を検討する際、「日本の常識」だけで判断するのではなく、「フィリピンという国で、どのようなキャリアが開けるのか」という視点で考えることが重要です。

フィリピン進学が向いている人

では、どのような人がフィリピンの大学進学に向いているのでしょうか。3つのタイプをご紹介します。

英語を実践的に身につけたい人

フィリピンの大学では、授業がすべて英語で行われます。日常生活でも英語を使う機会が豊富なため、4年間で実践的な英語力が自然と身につきます

英語環境としてのフィリピン大学の強み:

項目フィリピン大学日本の大学
授業言語完全英語主に日本語(一部英語)
日常生活英語とタガログ語の併用日本語のみ
学費年間30万〜100万円年間80万〜150万円(私立)
欧米留学と比較半額以下アメリカは年間300万円以上

欧米の大学と比べて学費が圧倒的に安く、それでいて英語環境が整っているのがフィリピン進学の大きなメリットです。将来、グローバル企業で働きたい、海外でキャリアを築きたいという目標がある方には、非常に魅力的な選択肢です。

日本の受験競争に合わなかった人

日本の大学受験は、偏差値やセンター試験など、画一的な評価基準で競争する仕組みです。しかし、フィリピンの大学入試は、高校の成績(GPA)や推薦状、面接など、多面的な評価を行う学校が多くあります。

日本とフィリピンの大学入試の違い:

項目日本フィリピン
入試方式一発勝負の学力試験が中心GPA、推薦状、面接など総合評価
評価基準偏差値重視人物評価も重視
向いている人短期集中型、暗記が得意継続的な努力ができる、コミュニケーション力がある

「日本の受験勉強が苦手だけど、英語は好き」「コミュニケーション能力には自信がある」という方にとって、フィリピンの大学は新しい可能性を開く場所になるかもしれません。

早く社会につながる力をつけたい人

フィリピンの大学では、インターンシップやプロジェクトベースの学習が積極的に取り入れられています。日本のように「4年間キャンパス内で過ごす」のではなく、早い段階から社会とつながる経験を積めるのが特徴です。

社会との接続性:

項目フィリピンの大学日本の大学
インターンシップ必修または推奨が多い任意が多い
企業との連携積極的大学による差が大きい
就職活動在学中から始める人も多い3年次後半から一斉スタート

卒業後すぐに実務で活躍できる力を身につけたい、起業やフリーランスを視野に入れているという方には、フィリピンの実践的な教育スタイルが合っている可能性があります。

まとめ:LALALAで留学を成功させよう

フィリピンの大学進学率は約35〜40%と日本より低いですが、それは教育の質の問題ではなく、経済状況やキャリアパスの多様性によるものです。進学率だけで判断せず、英語環境、学費、入試方式、卒業後のキャリアなど、総合的に検討することが重要です。LALALAでは、フィリピンの大学進学に関する詳しい情報提供や、お子さんに合った学校選びをサポートしています。「本当にフィリピン進学で大丈夫か」「どの大学が信頼できるのか」といった不安があれば、ぜひお気軽にご相談ください。経験豊富なカウンセラーが、納得のいく進路選択をお手伝いいたします!

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