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フィリピン旅行必見!世界遺産5選とその魅力
2025.08.22記事

7,000以上の島々から成るフィリピンには、美しい自然や歴史的建造物が数多く残され、その中にはユネスコ世界遺産として登録された貴重なスポットもあります。
本記事では、文化遺産から自然遺産まで、旅行でぜひ訪れたいフィリピンの世界遺産5選を厳選してご紹介します。息をのむ絶景や独特の文化に触れながら、フィリピンの奥深い魅力を感じてみてください。
世界遺産1:バナウエの棚田
ルソン島北部の山岳地帯に広がる「バナウエの棚田」は、“天国への階段”とも称される壮大な景観が魅力の世界文化遺産です。約2000年前から先住民イフガオ族によって築かれ、今なお利用されています。
何が特別なのか?バナウエ棚田の歴史と価値
バナウエの棚田は、ユネスコ世界遺産に登録されており、世界中の研究者や旅行者を魅了しています。
特徴的なのは、急峻な山の斜面を何段にもわたって広げた構造です。農作業はすべて手作業で行われ、イフガオ族の生活や文化と密接に結びついています。その景観は、四季折々で異なる景色が見られ、緑あふれる新芽の季節や、黄金色に輝く収穫期には特に美しい姿を見せます。歴史と自然が融合した姿が魅力的です。
バナウエ棚田を訪れる最適な時期
バナウエの棚田の景観を最も楽しめる時期は、新緑が広がる6〜7月と、稲穂が黄金色に染まる10〜11月です。
6〜7月は雨季にあたりますが、霧が棚田を包み込み、幻想的な光景が広がります。一方、収穫期の10〜11月は、鮮やかな色彩と澄んだ空気が魅力で、写真撮影にも最適な季節です。朝日や夕日が棚田を照らす時間帯は特に美しく、早朝に訪れると人も少ないため、静かに絶景を堪能できます。
旅程に合わせて、自然の変化を感じられる季節を選ぶと良いでしょう。
世界遺産2:トゥバタハ岩礁自然公園
スールー海の中央に広がるトゥバタハ岩礁自然公園は、フィリピン屈指の海洋保護区です。世界中のダイバーから憧れの地として知られており、手付かずの自然が残るこの海域は、約100,000ヘクタールにも及び、サンゴ礁や多種多様な海洋生物が生息しています。
トゥバタハ岩礁自然公園の特徴
トゥバタハ岩礁自然公園には、約600種の魚類、360種以上のサンゴ、ウミガメ、マンタ、ジンベエザメなどが暮らしています。
豊かな生態系は、地球規模で見ても貴重な存在であり、環境保護の重要性を体感できる場所でもあります。海中は、色鮮やかなサンゴと魚たちが織りなす鮮やかな景色が広がっており、とても幻想的です。
海水の透明度は30メートルを超えることもあり、潜れば遠くまで広がる海底の景観を一望できます。1993年にユネスコ世界遺産に登録されて以来、厳格な管理が行われ、訪問は許可を受けたダイビングツアーのみに限定。手付かずの海洋環境を守るため、観光客の数も制限されており、自然の美しさを損なわない持続可能な観光が実現しています。
ベストシーズンについて
トゥバタハ岩礁を訪れるなら、波が穏やかで視界が良好な3〜6月がベストシーズンです。
この期間は天候も安定し、透明度の高い海でダイビングやシュノーケリングを存分に楽しめます。ダイビングクルーズでは、複数のスポットを巡りながら海の魅力を堪能でき、初心者から上級者まで幅広く対応可能。
7月以降はモンスーンの影響で海が荒れやすく、観光シーズン外となります。限られた時期だからこそ、訪問すれば特別感のある体験が待っています。
世界遺産3:バロック様式教会群
フィリピンには、スペイン統治時代の影響を色濃く残すバロック様式の教会群が点在しています。これらは単なる宗教施設ではなく、フィリピン文化とヨーロッパ建築が融合した独自の歴史的遺産です。地震や台風が多い環境に合わせて補強された独特の構造や、精緻な装飾が見どころで、ユネスコ世界遺産にも登録されています。
中でも4つの代表的な教会は、宗教的価値だけでなく芸術性も高く、訪れる人々に荘厳な雰囲気と歴史の重みを感じさせます。
パオアイ教会
イロコス・ノルテ州パオアイに位置するパオアイ教会は、正式には「サン・アグスチン教会」と呼ばれるフィリピン屈指の世界遺産です。
1710年完成の壮大な石造りで、「地震バロック」と呼ばれる規模の大きな控え壁や低い屋根が特徴。ジャワやゴシック、東洋の建築様式が融合し、厚い壁や柱で災害から信者を守るための工夫が随所に見られます。荘厳な外観と美しい景観は、歴史と文化の重みを感じさせてくれます。
サンアグスチン教会
マニラの旧市街イントラムロスに建つサンアグスチン教会は、フィリピン最古の石造教会として知られています。
16世紀末から17世紀初頭に建設され、バロック様式の豪華な装飾や高い天井、大理石の祭壇、パリ製のシャンデリアなどが見どころ。太平洋戦争の被害を免れた希少な歴史遺産で、現地では結婚式や特別な宗教行事の場としても愛されています。
サンタ・マリア教会
ルソン島北西部、サンタ・マリアの丘に建つサンタ・マリア教会は、重厚な赤レンガ造りの外観が特徴。
1769年の創建以来、地元住民の要塞や避難所としても使われてきた歴史を持ちます。80段以上の階段を上がると、内部には荘厳な祭壇と鐘楼があり、遠く街全体を見渡す美しい眺望が人気です。現地では「ヌエストラ・セニョーラ・デラ・アスンシオン教会」として親しまれています。
ミアガオ教会
ビサヤ地方パナイ島に位置するミアガオ教会は、1797年完成の石造り教会で、外壁にはヤシや民族モチーフの装飾が豊かに施されています。
黄土色の温かみある外観は、現地産の石灰岩やサンゴを活用して築かれたもの。聖クリストファーがヤシの木の下で子どもキリストを背負う独特な彫刻が正面にあり、ヨーロッパ建築とフィリピンの民族美術が融合した唯一無二の世界遺産です。
世界遺産4:プエルト・プリンセサ地下河川国立公園
フィリピンが世界に誇る自然遺産の一つが、パラワン島に広がるプエルト・プリンセサ地下河川国立公園です。1999年の世界遺産登録後、神秘的な地底河川と原生林の美しさが世界中の旅行者を魅了し続けています。
ここでは、公園の注目ポイントや、訪れる際に知っておきたい特徴を解説します。
プエルト・プリンセサ地下河川国立公園の特徴
プエルト・プリンセサ地下河川国立公園、世界最大級の全長8.2kmを誇る地下河川を持ち、鍾乳洞の美しい空間とともに独自の生態系が育まれている点が最大の特徴です。
パラワン島北部、港町サバンからアクセスできるこの地底河川は、山の中から海への流れの途中に数々の鍾乳洞や地下空洞を形成し、観光ボートで幻想的な洞窟内部を見学できます。潮の満ち引きが生態環境に影響を与え、多様な固有種や絶滅危惧動物も生息。石灰岩カルスト地形の大自然に抱かれたエリアで、熱帯雨林や珍しい生物、透明な海、洞窟探検などフィリピンの大自然を身近に体感できる一大スポットです。
世界遺産5:ビガン歴史都市
フィリピン北部ルソン島に位置するビガンは、スペイン植民地時代の雰囲気を色濃く残す「石畳とコロニアル建築の町並み」で1999年に世界文化遺産に登録されました。
まるでタイムスリップしたかのような美しい街並みが現在も保存されており、カレッサ(馬車)が街中を往来し、情緒ある石造建造物やアジアと欧州が融合したデザインが特徴です。
パラワンの海洋生態系と生物多様性
ビガン自体は内陸の歴史都市ですが、近郊パラワン諸島には世界屈指の多様性を誇るサンゴ礁や熱帯魚が生息しています。
コバルトブルーの海には、ウミガメやカラフルな珊瑚、さまざまな珍しい魚類が集まり、調査や保護活動も盛ん。特にエルニドやコロン周辺はダイバーや研究者にとって重要なポイントであり、海洋保護区として高く評価されています。
ダイビングやシュノーケリングを楽しむポイント
ビガン観光の後に足を伸ばせば、パラワン島沿岸の海ではクリスタルクリアな水中世界が広がり、初心者から上級者まで楽しめる多様なスポットが点在。
エルニドやコロンをはじめ、様々なアイランドホッピングやビーチリゾートも人気。シーズンによって透明度や出会える生物も変わるため、旅行の計画時は現地ツアーガイド等の最新情報をチェックして、感動体験を満喫しましょう。
よくある質問
フィリピンの世界遺産は各地に点在しているため、訪問には事前の計画が欠かせません。ここでは、よくある質問として、フィリピンの世界遺産へのアクセス方法について解説します。
フィリピンの世界遺産へのアクセス方法は?
フィリピンの世界遺産は、観光都市や離島などアクセス方法もさまざまです。下記の表では代表的な世界遺産ごとに主なアクセス方法と所要時間の目安をまとめました。
世界遺産 | 主なアクセス方法 | 特記事項 |
バナウエの棚田 | マニラから夜行バスでバナウエ(約9時間)、現地でトライシクル | セブ島からはマニラ乗り継ぎ |
トゥバッタハ岩礁自然公園 | マニラ→プエルト・プリンセサ空港(1時間20分)、港までタクシー、船で現地へ | 専用ダイビング船要、訪問はツアー限定季節のみ |
バロック様式教会群 | サンアグスチン教会/パオアイ教会 マニラ市内はタクシー・ジプニー、パオアイはマニラ→ラオアグ空港+車/夜行バス | 教会ごとに場所異なるため要確認 |
プエルト・プリンセサ地下河川国立公園 | マニラ/セブ→プエルト・プリンセサ空港(1時間20分)、港→ボートで洞窟入口 | ツアー必須、事前予約推奨 |
ビガン歴史都市 | マニラから夜行バスで約8時間、または国内線でラオアグ空港+陸路 | 中心部は徒歩で回れる |
旅行前に経路を調べて、安全・快適な遺産巡りを楽しんでください。
バナウエやビガン歴史都市は、長距離バスを使ってアクセスできますが、所要時間がかかります。トゥバッタハ岩礁自然公園やプエルト・プリンセサ地下河川国立公園は、国内線とツアーボートを組み合わせる必要があり、天候や季節の制約が大きいので早めの計画が重要です。
バロック様式教会群は国内各地に分散しているため、訪問したい教会の所在を事前に確認し都市間移動を上手に組み合わせましょう。
まとめ:フィリピンの世界遺産を見て文化と大自然に触れよう
フィリピンの世界遺産は、豊かな歴史と自然が融合した多彩な魅力を持っています。
山岳地帯の精緻な棚田、手つかずの海洋環境、多様な文化が息づく歴史的建築物など、国内各地で異なる特色を楽しめるのが特徴です。これらの遺産は世界的にも価値が高く、訪れることでフィリピンの豊かな文化や自然の奥深さを体感できます。
一方で、多くの場所がアクセスに時間を要し、天候や季節によって最適な訪問時期が変わるため、しっかりと事前計画を立てることが重要です。安全かつ快適な旅を実現するためにも、アクセス手段や観光のポイントを事前に押さえ、自然や歴史を尊重しながらフィリピンの世界遺産を存分に楽しみましょう。