初めてでも安心!フィリピン食事マナー|手で食べる文化やチップ事情を解説

2025.09.30記事

フィリピンへの留学や旅行を予定していて、「現地での食事マナーってどうなんだろう?」と不安に感じていませんか?

手で食べる文化があると聞いたけれど、実際にどう振る舞えばいいのか、チップは必要なのか、タブーはあるのか…初めての海外では分からないことだらけですよね。

この記事では、フィリピンでの食事マナーの基本から実践的なポイントまで、現地で恥ずかしい思いをしないための情報を網羅的にお伝えします。読み終える頃には、自信を持ってフィリピンの食文化を楽しめるようになっているはずです。

フィリピン食事マナーの基本を知ろう

フィリピンの食事文化は、スペインやアメリカの影響を受けながらも、独自の伝統が色濃く残っています。まずは押さえておきたい基本的なマナーから見ていきましょう。

手で食べる文化「カマヤン」

フィリピンには「カマヤン(Kamayan)」と呼ばれる、手で食べる伝統的な食事スタイルがあります。これは決して行儀が悪いわけではなく、むしろフィリピン文化を象徴する食べ方として親しまれています。

項目内容
カマヤンとはバナナの葉の上に料理を盛り付け、右手で食べるフィリピン伝統の食事スタイル
使う手必ず右手のみを使用(左手は不浄とされる)
食べ方のコツ指の第一関節までを使い、ご飯とおかずを混ぜて小さく丸めてから口に運ぶ
食事前の準備手をしっかり洗い、清潔な状態で食べ始める
体験できる場所伝統的なレストランや家庭料理の場面で経験できる

観光客や留学生の場合、無理にカマヤンスタイルで食べる必要はありません。ただし、現地の人に勧められた際には、ぜひチャレンジしてみてください。きっと親近感を持ってもらえるはずです。

フォークとスプーンの使い方

一般的なレストランや日常的な食事では、フィリピン独特の「フォークとスプーン」の使い方があります。日本やヨーロッパとは異なる作法なので、事前に知っておくと戸惑わずに済みます。

ポイント詳細
基本の持ち方左手にフォーク、右手にスプーンを持つ
フォークの役割食べ物を押さえたり、スプーンに載せるための補助として使う
スプーンの役割メインの食器として、食べ物をすくって口に運ぶ
ナイフの使用基本的に使わない(肉料理など必要な場合のみ提供される)
食事中の置き方皿の上にハの字に置く(食事続行中のサイン)
食後の置き方皿の右側に揃えて置く(食事終了のサイン)

最初は慣れないかもしれませんが、スプーンをメインに使うスタイルは、ご飯やスープ料理が多いフィリピン料理にとても適しています。数回練習すれば自然に使えるようになるでしょう。

食事中に気をつけたいこと

フィリピンでの食事では、日本とは異なるマナーやタブーがいくつかあります。知らずに失礼な行動をしてしまわないよう、以下のポイントを押さえておきましょう。

マナー項目フィリピンでの常識日本との違い
食器を持ち上げるNG(お皿やお椀を持ち上げて食べるのは行儀が悪いとされる)日本では茶碗を持つのが基本マナー
音を立てるNG(麺をすする音、スープを飲む音は避ける)日本では麺をすするのは普通
食事のペースゆっくり会話を楽しみながら食べる日本ではやや急いで食べることも
乾杯の習慣グラスを合わせて「Mabuhay!(マブハイ)」と言う日本では「乾杯!」と言う
食事の誘い方「Kain tayo(カイン タヨ=一緒に食べよう)」が社交辞令でもある誘われたら基本的に受ける姿勢が好まれる
年長者への配慮年長者が食べ始めてから食事をスタートする日本の「いただきます」文化と似ている

特に注意したいのは、お皿を持ち上げないことです。日本では当たり前の行為ですが、フィリピンでは「貧しい人の食べ方」として捉えられることがあります。テーブルに置いたまま、姿勢を少し前傾させて食べるのが正しいスタイルです。

チップの習慣について

海外旅行で気になるのがチップの習慣ですよね。フィリピンでのチップ事情について、詳しく見ていきましょう。

フィリピンではチップは必要か?

結論から言うと、フィリピンではチップは義務ではありませんが、渡すと喜ばれるというスタンスです。アメリカのように必須ではないものの、良いサービスを受けた際には感謝の気持ちとして渡す文化が根付いています。

チップの基本内容
義務の有無必須ではないが、渡すのが一般的になりつつある
相場の目安サービス料込みでない場合は会計の5〜10%
サービス料について高級レストランでは会計に10%のサービス料が含まれていることが多い
サービス料が含まれている場合追加でチップを渡す必要はないが、特に良いサービスには少額を渡してもOK
小規模店舗や屋台チップの習慣はほとんどない

レシートをよく確認して、「Service Charge」の記載があるかをチェックしましょう。記載がある場合は、すでにサービス料が含まれているため、無理に追加でチップを渡す必要はありません。

シチュエーション別にみるチップの相場

フィリピンでチップを渡す場面は、レストランだけではありません。様々なシチュエーションでの相場を知っておくと、スマートに対応できます。

シチュエーションチップの相場渡し方のポイント
レストラン(高級)会計の5〜10%、または50〜100ペソサービス料が含まれていない場合のみ。テーブルに置くか、直接手渡す
レストラン(カジュアル)20〜50ペソ特に良いサービスを受けた時のみでOK
ホテル(ベルボーイ)荷物1つにつき20〜50ペソ部屋まで荷物を運んでもらった時に手渡す
ホテル(ハウスキーピング)1泊あたり20〜50ペソ枕元やテーブルに置いておく。メモを添えるとより丁寧
タクシーお釣りの小銭を渡す、または10〜20ペソ荷物を運んでくれた場合や、丁寧な対応だった時
スパ・マッサージ施術料金の10%、または50〜100ペソ施術者に直接手渡す
ツアーガイド1日ツアーで100〜200ペソツアー終了時に感謝の言葉と共に渡す

チップは必ず現金で、できるだけ小額紙幣を用意しておくことが大切です。1000ペソ札しかない場合、お店で両替してもらうのは失礼にあたるので、事前にコンビニなどで崩しておきましょう。

そのほか知っておきたい常識・マナー

食事の作法やチップ以外にも、フィリピンならではの食文化や常識があります。これらを知っておくと、より現地の雰囲気に溶け込めるでしょう。

スープはご飯にかける

日本ではあまり見られない光景ですが、フィリピンではスープ料理をご飯にかけて食べるのが一般的です。これは決してマナー違反ではなく、むしろ美味しく食べるための正しい方法とされています。

ポイント説明
代表的な料理シニガン(酸味のあるスープ)、ニラガ(牛肉と野菜のスープ)など
食べ方白いご飯の上に直接スープをかけて、スプーンで混ぜながら食べる
文化的背景ご飯を主食として大切にし、スープの旨味を余すことなく楽しむフィリピン流の食べ方
日本との違い日本では汁物とご飯は別々に食べるのが一般的

最初は抵抗があるかもしれませんが、現地の人と同じように食べることで、料理の本当の美味しさが分かりますし、親しみも感じてもらえます。

「ベソ」という挨拶がある

食事の場面でも見られるフィリピン独特の文化が「ベソ(Beso)」という挨拶です。これは食事マナーそのものではありませんが、食事会や集まりの際によく行われるため、知っておくと戸惑わずに済みます。

項目内容
ベソとはスペイン語で「キス」を意味し、頬を合わせる挨拶のこと
やり方右頬を軽く合わせて、チュッと音を立てる(実際に触れるかどうかは相手との関係性による)
誰とする挨拶か親しい友人、家族、親戚との間で行われる。ビジネスシーンでは一般的ではない
性別による違い女性同士、男性と女性の間で行われることが多い。男性同士は握手が一般的
年長者への敬意年長者には「マノ(Mano)」という、手の甲を額に当てる敬意の表現をする

食事会に招待された際、ホストやその家族とベソで挨拶を交わすことがあります。初めての方は戸惑うかもしれませんが、相手の動きに合わせれば自然とできるようになります。

食事をもっと楽しむためのポイント

フィリピン料理をより深く味わうために、現地ならではの調味料や人気料理について知っておきましょう。これらを理解することで、食事の楽しみが何倍にも広がります。

フィリピンの調味料、サウサワンについて

フィリピン料理を語る上で欠かせないのが「サウサワン(Sawsawan)」です。これは日本の醤油や味噌のように、食卓に常備される調味料やつけダレの総称で、料理の味を自分好みにカスタマイズする文化があります。

サウサワンの種類特徴合う料理
トヨマンシ醤油にカラマンシー(フィリピンライム)を絞ったもの焼き魚、焼き肉、揚げ物全般
パティス魚醤で、塩辛い風味が特徴野菜料理、スープ、炒め物
バゴオンエビや小魚の発酵調味料。濃厚で塩辛いカレカレ(ピーナッツソースの煮込み)、野菜料理
スカ(酢)ココナッツビネガーや蒸留酢。さっぱりとした酸味揚げ物、春巻き、シニガン
シリダイエット唐辛子入りの酢。辛いのが好きな人向け麺類、揚げ物、肉料理

フィリピンのレストランでは、テーブルに複数のサウサワンが用意されていることが多いです。現地の人は料理ごとに異なる調味料を組み合わせて楽しんでいます。最初は少量ずつ試して、自分好みの味を見つけるのも楽しみ方の一つです。

その他人気のフィリピン料理

フィリピン料理は種類が豊富で、前菜からデザートまで様々な味わいが楽しめます。カテゴリー別に代表的な料理をご紹介しましょう。

前菜

料理名説明
ルンピアフィリピン風春巻き。野菜や肉を薄い皮で巻いて揚げたもの。酢ベースのソースで食べる
トクワットバボイ豆腐と豚肉の炒め物。醤油ベースの味付けで、日本人にも食べやすい
キラウィン生魚や肉を酢とココナッツミルクでマリネしたもの。フィリピン版セビーチェ

スープ

料理名説明
シニガンタマリンドの酸味が効いた酸っぱいスープ。豚肉、エビ、魚などバリエーション豊富
ニラガ牛肉と野菜をじっくり煮込んだ優しい味わいのスープ。体調不良の時にもおすすめ
ブラロ牛のすね肉と骨髄を長時間煮込んだコラーゲンたっぷりのスープ

野菜料理

料理名説明
ピナクベット野菜を海老ペースト(バゴオン)で煮込んだ料理。かぼちゃ、なす、いんげんなどが入る
ラーンゴートナスをグリルしてトマトと玉ねぎと和えたサラダ風料理
アチャラパパイヤのピクルス。甘酸っぱい味わいで口直しにぴったり

肉料理

料理名説明
アドボフィリピンの国民食。肉を醤油、酢、ニンニクで煮込んだもの。鶏肉や豚肉が一般的
レチョン豚の丸焼き。お祭りやお祝いの席で振る舞われる特別な料理
シシグ細かく刻んだ豚肉を鉄板で炒めた料理。カラマンシーを絞って食べる
カルデレータトマトベースで煮込んだビーフシチュー風の料理。じゃがいもやピーマンが入る

魚介料理

料理名説明
イニハウナイスダ魚のグリル。バナナの葉で包んで焼くこともある。醤油とカラマンシーで食べる
レリエノンアリマンゴカニの殻に身を詰めて焼いた料理。手が込んでいて特別な日のメニュー
ティノーラ魚や鶏肉を生姜とレモングラスで煮込んだスープ。あっさりしていて優しい味

麺料理

料理名説明
パンシットカントン小麦麺を野菜や肉と炒めた焼きそば風の料理。誕生日に食べると長寿になるとされる
パンシットビホン米粉の細麺を使った焼きビーフン。あっさりとした味わい
パンシットモロイスラム系の麺料理。スパイシーでココナッツミルクを使う
ラミ中華風のスープ麺。具だくさんで食べ応えがある

これらの料理は、マニラをはじめフィリピン全土のレストランで味わえます。留学や旅行の際には、ぜひ様々な料理にチャレンジして、お気に入りを見つけてみてください。

よくある質問

フィリピンの食事マナーについて、よく寄せられる質問にお答えします。

フィリピンではご飯を残すと失礼ですか?

フィリピンでは食べ物を残すことは基本的に問題ありません。むしろ、無理して全部食べようとしてお腹を壊す方が心配されます。

ただし、できるだけ自分が食べられる量を注文し、残す場合も極端に多く残さないよう配慮するのがマナーです。フィリピンの方は一般的に「もったいない」という感覚を持っているため、あまりにも大量に残すと良い印象を与えません。食べきれない場合は、テイクアウトボックス(Takeout Box)をお願いすることもできます。「Para baon(パラ バオン=お持ち帰り用に)」と伝えれば、包んでもらえます。

また、家庭に招かれた際に料理を残す場合は、「Busog na ako(ブソグ ナ アコ=もうお腹いっぱいです)」と伝えて、美味しかったことを言葉で表現すると良いでしょう。

フィリピンでしたらいけないことはなんですか?

食事に関連してフィリピンでタブーとされる行為をまとめました。

タブー行為理由
左手で食べ物を扱う左手は不浄とされているため、食事や握手には使わない
人前で鼻をかむ食事中に鼻をかむのは非常に不快な行為とされる。トイレで済ませる
食べ物を足で動かす食べ物は神からの恵みとして尊重されている。足で触れるのは最大の侮辱
年長者より先に食べ始める目上の人への敬意を示すため、年長者が食べ始めるのを待つ
宗教的な食事制限を無視するイスラム教徒には豚肉、一部のキリスト教徒には特定の日に肉を出さない配慮が必要
食事を断る勧められた食事を断るのは、相手の好意を拒否することになり失礼

特に気をつけたいのは、現地の人の家に招かれた際です。フィリピンの人々は非常にホスピタリティが高く、客人をもてなすことに誇りを持っています。出された料理には感謝の気持ちを示し、少しでも口にすることが大切です。

フィリピンのレストランで水は飲めますか?

フィリピンのレストランの水については、水道水は飲まない方が安全です。日本とは水質基準が異なり、日本人が飲むとお腹を壊すリスクがあります。

水の種類安全性対応方法
水道水飲用不可絶対に避ける。歯磨きもミネラルウォーターが望ましい
レストランの無料の水避けた方が無難浄水器を通していても日本人には合わないことがある
ボトルウォーター安全封が開いていない状態で提供されるものを選ぶ
高級店以外は避ける水道水で作られている可能性が高い
缶やボトル飲料安全コーラ、ジュース、ビールなどは問題なし

レストランでは、「Bottled water please(ボトルドウォーター プリーズ)」と注文しましょう。大体20〜50ペソ程度で購入できます。コンビニエンスストアでは、500mlのミネラルウォーターが15〜25ペソと安価なので、外出時は常に携帯するのがおすすめです。

また、屋台やローカル食堂では特に注意が必要です。氷入りの飲み物も避け、必ず密封されたボトル飲料を選んでください。

まとめ

フィリピンの食事マナーについて、基本から実践的なポイントまでご紹介しました。

まず押さえておきたいのは、手で食べる文化「カマヤン」は伝統的なスタイルであり、必ず右手を使う点、そして一般的な食事では左手にフォーク、右手にスプーンを持つフィリピン独特の作法があることです。日本とは異なり、食器を持ち上げたり音を立てて食べたりするのはマナー違反とされています。

チップについては、義務ではないものの渡すと喜ばれる文化です。高級レストランでは会計の5〜10%、ホテルのスタッフには20〜50ペソが目安となります。ただし、サービス料が含まれている場合は追加で渡す必要はありません。

また、スープをご飯にかけて食べるのが一般的であることや、サウサワンと呼ばれる調味料で自分好みの味にカスタマイズする文化も、フィリピンならではの食事スタイルです。

食事を残すことは基本的に問題ありませんが、水道水は飲まず必ずボトルウォーターを選ぶこと、左手で食べ物を扱わないことなど、健康と文化的配慮の両面から気をつけるべきポイントもあります。

これらのマナーを理解しておけば、フィリピンでの食事を自信を持って楽しめるはずです。現地の人々との食事の時間は、文化交流の貴重な機会でもあります。マナーを守りながら、フィリピンの豊かな食文化をぜひ存分に味わってください。

フィリピン留学は
LaLaLa+におまかせ

詳細な学校情報、コース内容、料金表などが記載された最新のパンフレットと申込書をダウンロードできます。 留学計画の検討にお役立てください。