フィリピン留学中の年金・健康保険はどうなる?ケース別に手続きを解説

2026.09.25記事

フィリピン留学をする際、「年金と健康保険の手続きはどうすればいいの?」と気になる方もいるでしょう。会社を辞めるのか休職するのか、住民票を日本に残すのか抜くのかによって、やるべきことも留学中にかかる固定費も大きく変わります。

とはいえ、手続きそのものは決して難しいものではありません。必要な手続きを事前にチェックして、必要な書類を持って市区町村の窓口へ行けば、ほとんどは一度で終わります。

この記事では、住民票を抜く場合と抜かない場合に分けて、年金と健康保険がどう扱われるのか、何をいつまでにすればよいのかを解説します。

フィリピン留学中の年金・健康保険の扱い

フィリピン留学中に年金と健康保険がどう扱われるかは、留学期間の長さそのものではなく、住民票を日本に残すかどうかで決まります。住民票を抜けば国民年金も国民健康保険も加入義務がなくなり、残せばこれまでどおり保険料が発生します。

住民票を抜くかどうかの判断基準や住民税との関係については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。

住民票を抜く場合

住民票を抜くというのは、市区町村に海外転出届を提出して、日本の住民ではない状態になることをいいます。

この手続きをすると、国民年金は強制加入の対象から外れ、国民健康保険も転出日をもって資格を失います。つまり、留学中は年金保険料も健康保険料も支払う義務がなくなり、留学中の固定費を抑えられます。その年の1月1日時点で日本に住民票がなければ、翌年度の住民税も課税されません。

ただし、注意点もあります。国民健康保険から抜けるということは、一時帰国して日本の病院にかかったときに医療費が全額自己負担になるということです。海外旅行保険や留学保険への加入が必須になると考えてください。

また、海外転出届は原則として1年以上の海外滞在が対象とされているため、長期のフィリピン留学を予定している方向けの選択肢です。

住民票を抜かない場合

住民票をそのまま日本に残す場合は、留学中も日本の住民として扱われます。20歳以上60歳未満の方には国民年金の加入義務が続き、国民健康保険に入っている方は保険料も発生し続けます。会社を休職して社会保険に加入したままであれば、厚生年金と健康保険の保険料が引き続きかかります。

その代わり、健康保険証はそのまま使えるので、一時帰国したときに通常どおり3割負担で病院にかかれます。現地で病気やけがをして治療を受けた場合も、海外療養費という制度を使えば、日本で同じ治療を受けたときの金額を基準に一部が払い戻されます。

また、銀行口座の開設や運転免許の更新といった日本での手続きも、住民票があるほうが便利です。3ヶ月から半年程度の留学であれば、住民票を残したまま渡航する方が多いです。

住民票を抜く場合の年金・健康保険の手続き

住民票を抜くと決めたら、出国前に済ませておくべきことがいくつかあります。ここでは役所への届け出から帰国後の再加入まで、時系列に沿って見ていきましょう。

ステップ1. 出国14日前から役所で海外転出届を提出する

まず海外転出届を提出する必要があり、多くの自治体では転出予定日の14日前から提出を受け付けています。住民票のある市区町村の窓口に本人確認書類とマイナンバーカードを持って行けば、その場で提出できます。手数料はかかりません。

この届けを出すことで、国民健康保険の資格喪失や国民年金の任意加入といった次の手続きに進めるようになります。逆にいえば、海外転出届を提出していなければほかの手続きができないということです。

仕事の引き継ぎや荷造りで忙しくなる時期と重なりますが、出国の1週間前くらいまでには窓口に行っておくと安心でしょう。同居の家族であれば代理での提出も認められているので、どうしても都合がつかない場合は相談してみてください。

ステップ2. 国民年金を「任意加入」するか決める

海外転出届を出すと国民年金の強制加入からは外れますが、日本国籍であれば任意加入制度を使って保険料を納め続けられます。納めた期間はそのまま将来の老齢基礎年金の金額に反映され、留学中に万が一のことがあった場合の障害基礎年金や遺族基礎年金の保障も続きます。

任意加入しない場合でも、その期間は合算対象期間として年金を受け取るための資格期間には数えられます。ただし年金額そのものには反映されないため、単純に受け取れる金額が減ることになります。

任意加入した場合、日本国内の親族に代わりに納付してもらう、国内の預貯金口座からの自動で引き落とす、クレジットカード納付といった方法が可能です。申し込みは転出前であれば市区町村の窓口でできるので、転出届と同じタイミングで相談しましょう。

ステップ3. 国民健康保険から脱退する(自動手続き)

国民健康保険は、海外転出届を出した時点で自動的に資格を失う仕組みです。保険料も転出日の前月分までで計算が止まり、それ以降は発生しません。

ただし、手元にある保険証の返却を求める自治体もあり、細かい運用は市区町村によって少しずつ違います。転出届を出すときに「国民健康保険の手続きは必要ですか?」とひと言確認しておきましょう。

また、脱退したあとは日本の公的医療保険が一切ない状態になります。フィリピンでの治療費に備えて、留学保険やクレジットカードに付帯する海外旅行保険の補償内容を、出国前に必ず確認しておいてください。

ステップ4. マイナンバーカードを返納する

以前は海外転出の際にマイナンバーカードを返納する必要がありましたが、現在は日本国籍であれば国外転出後も継続して使えるようになりました。

継続利用する場合は、国外転出予定日の前日までに市区町村の窓口でカードと申請書を提出します。カードの券面に転出日が記載され、電子証明書も新しく発行されます。これで、留学中もマイナポータルやオンラインでの確定申告に利用でき、帰国後に再交付を受ける手間もかかりません。

反対に、継続利用の手続きをしなかった場合、カードは転出日をもって失効します。その場合はカードを窓口に返納することになるので、どちらを選ぶかを転出届の提出前に決めておきましょう。

ステップ5. 帰国後に転入届の提出、国民年金・国民健康保険への再加入を行う

留学を終えて日本に戻ったら、帰国日から14日以内に市区町村の窓口で転入届を提出します。このとき、帰国したことを証明するためにパスポートが必要になるので、入国スタンプのあるページを一緒に持って行ってください。

転入届を出すと同時に、国民健康保険への加入手続きも行います。保険料は前年の所得をもとに計算されるため、留学中に収入がなかった方は比較的低い金額に収まることが多いです。就職が決まっている場合は、会社の健康保険に入ることになるので国民健康保険の手続きは必要ありません。

国民年金についても、第一号被保険者として再加入することになります。帰国直後で保険料の支払いが難しいときは、免除や納付猶予の制度を使えるので、窓口で相談してみてください。

住民票を抜かない場合の年金・健康保険の手続き

住民票を残したまま留学する場合は、勤務先や学校との関係によって必要な手続きが変わります。ここでは休職、退職、学生というケースに分けて、それぞれ何をすればよいのかを見ていきましょう。

休職する場合

会社に在籍したまま休職して留学する場合は、厚生年金と健康保険にそのまま加入し続けることが基本です。新たに市区町村で手続きをする必要はなく、健康保険証もこれまでどおり使えます。

注意しておきたいのが保険料の支払い方法です。休職中は給与が出ないことが多く、給与からの天引きができないため、一般的には本人負担分の保険料を毎月会社の口座へ振り込む形になります。金額は月に数万円になることもあるので、留学費用とは別に用意しておきましょう。

振込の期日や方法は会社ごとに異なります。休職を申し出た段階で、人事や総務に確認しておきましょう。留学中の連絡先や、書類の送付先をどこにするかも一緒に決めておくことをおすすめします。

退職する場合

退職して住民票を残す場合は、会社の社会保険から抜けることになるため、自分で切り替えの手続きをしなければなりません。

その際、健康保険には大きく分けて3つの選択肢があります。国民健康保険に加入する方法、退職前の健康保険を最長2年間続ける方法、そして家族の扶養に入る方法です。国民健康保険は退職日の翌日から14日以内、任意継続は20日以内と期限が短いので気をつけてください。

年金については、厚生年金から国民年金の第一号被保険者へ切り替える手続きを、同じく14日以内に行います。

退職によって収入が減る場合は、退職特例で保険料の免除や納付猶予を申請できます。前年の所得を除いて審査してもらえるので、通常よりも通りやすいす。ただし、配偶者・世帯主の所得は審査の対象なので注意しましょう。申請には、離職票や雇用保険受給資格者証が必要です。

学生の場合

学生であっても20歳以上であれば、国民年金の保険料を納める義務があります。日本の大学や専門学校に在籍したまま、休学せずに交換留学などでフィリピンへ行く場合は、引き続き学生納付特例制度を利用できます。在学期間中の保険料納付を先送りできる制度で、申請は年度ごとに必要です。

一方で、日本の学校を辞めてフィリピンの語学学校や大学に直接入学する場合は注意しましょう。海外の学校は日本の学校教育法上の学校にあたらないため、学生納付特例の対象にはなりません。この場合は、一般の免除制度や納付猶予制度を申請することになります。

健康保険については、親の扶養に入っているのであればそのまま継続できることがほとんどなので、扶養の条件を満たしているかどうかを確認しておきましょう。

フィリピン留学前に手続きをしないリスク

手続きをあと回しにしたまま出国すると、気づかないうちに未納が積み上がってしまいます。ここでは、実際に起こりやすいリスクを確認しましょう。

国民健康保険料が未納のまま蓄積する

住民票を抜かないまま出国し、保険料の支払いも止めてしまうと、留学中も国民健康保険料は毎月きちんと課され続けます。日本にいないからといって自動的に止まることはありません。半年から1年の留学であれば、帰国したときに数十万円の未納分をまとめて請求されるということも起こり得るでしょう。

未納の状態が続くと督促状が届き、延滞金も上乗せされます。それでも支払いがない場合には、預貯金や給与の差し押さえということにもなりかねません。留学中は日本の住所に届く郵便物を確認できないため、未納に気付けない場合もあります。

国民年金の未納は、将来の年金額に影響する

老齢基礎年金は、保険料を納めた月数に応じて金額が決まります。未納の期間は年金額に反映されず、受け取るための資格期間にも算入されません。1年程度なら影響は小さく見えるかもしれませんが、将来受け取る金額から毎年少しずつ差し引かれ続けると大きな差になります。

また、未納のまま事故や病気で障害が残った場合、障害基礎年金を受け取れなくなる可能性もあるでしょう。免除や納付猶予を申請していれば、資格期間に算入されたうえでこうした保障も維持されます。

あとから納められる期間にも差があり、未納は2年以内、免除や猶予を受けていた期間なら10年以内です。

永住申請など将来の重要な審査に影響する可能性がある

年金や健康保険の納付記録は、将来さまざまな場面で確認されることがあります。代表的なのが在留資格の永住許可申請です。出入国在留管理庁のガイドラインには、公的年金と公的医療保険の保険料を適正に納めていることが要件のひとつとして明記されています。ご自身が外国籍の方や、外国籍のパートナーと日本で暮らす予定がある方には、直接関わってくる話です。

また、日本国籍の方でも無関係ではありません。将来の年金受給額の確認や、行政からの各種給付の審査で納付状況が参照される場面があります。留学中の一時的な判断が何年も先の手続きに影響することもあると覚えておきましょう。

帰国後の手続きが煩雑になる

海外転出届を出さずに出国してしまうと、帰国後に過去にさかのぼって状況を整理する必要があります。実際には日本にいなかったことを証明するためにパスポートの出入国記録を提出したり、保険料の取り扱いについて窓口と個別に相談したりと、何度も役所に足を運ぶことになるでしょう。

年金についても、未納期間の扱いや追納の可否を年金事務所で確認する必要が出てきます。出国前なら窓口で15分ほどで終わったはずの手続きが、帰国後には何週間もかかることもあるでしょう。

帰国直後は引っ越しや就職活動で忙しい時期でもあるので、余計な手間を増やさないためにも出発前に済ませておくほうが賢明です。

まとめ:LALALAで留学を成功させよう

フィリピン留学中の年金と健康保険は、住民票を抜くかどうかで扱いが変わります。抜く場合は海外転出届をはじめとする手続きを、抜かない場合は休職か退職か学生かに応じた切り替えを、それぞれ出国の1ヶ月前までに進めておけば安心です。

手続きを怠ると未納が積み上がり、帰国後の思わぬ負担になってしまいます。制度面の不安を解消して、留学そのものに集中できる状態で出発しましょう。

LALALAフィリピンでは、留学準備のご相談をいつでも受け付けています。不安がある方はぜひ一度ご相談ください。

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